新幹線N700Aに初乗車。そして500系と4年半ぶりの再会! ~ 山口・萩の旅(その1)
先週の8月29日(金)から31日(日)の3日間を使って、山口県の萩へ一人旅に出掛けた。
一人旅はずいぶん久々の事だ。
昨年末、宮崎の青島太平洋マラソン参加で一人で宮崎・福岡の旅に出向いたが、純粋な一人旅は一昨年の11月に入籍してから初めての事。最後はいつのことだったか写真を見返さないと思い出せない。
今回はちょっと思うところもあっての一人旅だったが、何にしても結婚してから一人旅に出向けるようになったというのはポジティブな事である。
何故、萩を旅先にしたのかというと、日々生活しているところから距離をおいて一人でゆっくり考える時間が欲しかったというのがあって、できるだけ馴染みのない土地で静かに過ごせそうなところを探していたら、この萩がいいという事になった。
きっかけは、夕日の綺麗なところは落ち着くだろうと夕日百選を見ていたら、萩の菊ヶ浜が目に入った。
幕末から明治にかけて活躍した長州藩の維新志士達を排出した城下町。今でも当時の城下町の風情を多く残すところということで、人里離れたところでゆっくり過ごすにはちょうどよいところだと思った。
そういった目的なので、あまりあちこち移動しながらの落ち着かない旅にはしたくなかったので、そういった意味からも宿から散歩をするような感覚で一通り回ることができる萩の街はちょうどよい距離感だと思った。
新大阪~博多間の『こだま』運用のみとなった500系
最近の私の旅の傾向は、関東近辺の近場は車。遠方では飛行機からの現地はレンタカーというパターン。
今回は現地での車の移動はしないこともあったので、移動の乗り物も含めて今までと大きく趣向を変えてみた。
行きは新幹線で広島に少し立ち寄り、そこから新山口まで移動してさらに路線バスを使って萩の街へ。という行程を踏むことにした。
今回新幹線を使うに当たってどうしても見ておきたいものがあった。
2010年2月28日から東海道新幹線の運用を外れた、500系新幹線との再会だ。
思えばこの500系新幹線がデビューした時は衝撃的だった。大きく前に張り出した戦闘機のようなノーズ。車体の断面も航空機のように円筒状になっておりいかにも新世代の超特急という雰囲気。
名古屋や大阪の出張で3~4回ほど乗る機会があったが、その円筒状の形状から当時の300系や500系の後にデビューした700系に比べるとお世辞にも広くて快適とは言えない。それでも乗る機会があるたびにいつもワクワクさせられたものだった。
そんな夢の次世代新幹線も月日が経つとともに、東海道新幹線内でのスピードアップに対応したN700系の登場により、500系は東海道新幹線の運用を外れ、山陽新幹線内の各駅停車『こだま』として運用されることになり今日までに至る。
山陽新幹線内は最高速度300kmであるが、東海道新幹線内は線形の関係で270kmに制限されている。N700系は車体傾斜システムを備えており、270kmの最高速度で走行する区間を増やすことによりスピードアップを図っている。ちなみに500系にはこの車体傾斜システムを備えていないことが運用を外された要因の一つだ。(他にも700系との運用互換性の問題などさまざまな要因がある)
ちなみに東海道新幹線からの運用を外されただけでなく速達型の『のぞみ』からも外れて『こだま』専用に。さらに16両固定だった編成も半分の8両編成となってしまった。営業最高速度は300kmで運用されることはなく285km。と、東海道新幹線に乗り入れていた輝かしい時を知る身としては何とも寂しい限り…
それでも、すっかりローカル運用となってしまった500系の今の姿を見てみたいと思った。
さて、旅のほうに話を戻そう。
広島までは最新型N700Aの『のぞみ』で移動
品川駅には6時半前に到着。いつもバタバタしてギリギリの到着が多い私だが今回は15分も前に余裕を持って到着。当たり前だがこれだけ時間にゆとりがあると弁当や飲み物も焦らずゆっくり買える。
今回乗る列車は『のぞみ5号』博多行き。これで途中広島までの旅となる。
N700でもAが付く方だった。
N700Aの『A』はAdvancedの略。ブレーキ性能や安定走行システムの導入、車内照明のLED率を高めたり環境に配慮したシートの導入など、その名前の通りN700系の進化版である。
ところがですね。実はこの『N700A』。2種類あってこっちのはN700の改造版なんです。
どういうことかというと元々『N700A』として製造されたものは『A』のロゴマークが次の通りもっと大きなものになってます。
もちろん改造版のほうにはない、新しい機能も大きいAのほうにはあります。
座ったシートは2人席側のほう。シートも足元も飛行機に比べるととにかく広い!
当然のごとく、コンセントが足元にあります。最近、すぐにiPhoneのバッテリーがなくなるので助かりますわ。
品川を出てすぐに新横浜に停車。そこから名古屋まで少し間があきます。
天気はイマイチだけど、新富士駅を通過する前あたりで富士山が正面に見えました。
平行して走る東海道線の線路。速過ぎて斜めにゆがんでしまっている。
最近新幹線に乗ってなかったので感覚を忘れてしまったが、とにかく揺れも少なく車内も静か。移動中に休みたいと思っているビジネスマンもこれならゆっくり休めるでしょうね。
そして名古屋到着。
ちなみに京都では殆ど人の入替はなかった。
新大阪到着が9時を少し回ったところ。ちょうど窓の向こうは折り返しの新幹線が止まっていて写真はなし。
新大阪から先、山陽新幹線は実は未知の領域。昔乗ったことあるらしいがモノ心ついてから記憶にないので…
続いて新神戸。ここでまた少し乗客が増えたが、全体で8割ちょっとといったところ。
ちなみにWi-Fiサービスは東海道新幹線内のみ。会社が違うから仕方ないのだろうが同じ電車内で理解に苦しむ。
この山陽新幹線内は300kmでの運転。確かに岡山を出た辺りから電車の揺れや音が激しくなってきた。外の景色の替わる速さは感覚が麻痺して良く分からない(笑)
そしてこの先福山にも停車して、10時半に広島到着。約4時間の新幹線の旅だった。
のぞみ5号を見送り、改札を出ることに。ここではわずか3時間半の滞在。この広島での出来事は後日、記事にしようと思う。
広島で500系との再会…だがしかし思わぬアクシデントが
そして2時前に再入場。これより500系『こだま741号』を待つ。
ところが、この広島駅の改札をくぐったところで大アクシデントが発生!ミラーレス一眼カメラのSDカードが書き込めなくなってしまった。
- 事の詳細は↓のエントリーで。
SDカードのアクシデントに備えて予備は常に持ち歩きましょう | これから始めるデジタル一眼 | 旅とTABIの記憶書
あれこれ触っている間に、500系こだまが入線。仕方なくiPhoneでの撮影となった。
慌てて撮ったので、手ブレするわタイミング外すわで散々。
しかし、4年振りとなった500系との再会。いや~カッコイイ!!
表舞台から外されて、長さも半分にさせられてしまったが色褪せた感じは全くしないです。
家族連れを中心にホームで皆写真撮ってたな!子供を中心に人気は変わらずのようだ。
外見はカッコいいのだけど中が窮屈なんだよなぁ…と思いながら席に向かうと、あれ?
こだま運用になってシートをリニューアルしたようだ。N700Aのシートよりさらに快適!
さらに前こんなのあったかな?という可動式ドリンクホルダーが手すりのところに。
500系に乗っているんですが、乗客の混み具合とか乗っている人とか見てると『のぞみ』とはまったく違って、まさに『こだま』のユル~い空気がそこにあるんですよね。
最高速度はN700Aの300kmに対して、500系は285kmでの走行なのだが、音の大きさや揺れはN700Aよりあきらかに大きい。確かにこうして乗り比べると時代を感じてしまうなと。
途中徳山で後からくる『のぞみ』の通過待ち。故障したSDカードをリカバリーするのに夢中になっていたのでうっかり外に出て『のぞみ』に抜かれるシーンを撮り忘れるという大失態。それにしてもこの500系が他の車両に抜かれる日が来るとは…と隣で通過する白い車体を見ながらちょっと切ない気分になった。
この徳山や宇部などの地域一帯は大きな工場が多い。川崎の臨海部にあるような大きな工場がひしめき合うが、すぐ先に美しい島々が見えて、美しい自然と無機質な文明の建造物とのアンマッチさが実に新鮮だった。
そして新山口へ到着。出るときデッキを見回してみたが、確かにN700Aに比べると質素な作りだ。
新山口に着いたときは雨がポツポツ降り出してきた。この新山口という駅、以前は『小郡(おごおり)』という名前だったのだが、いつの間にか現名称に変わっていた。調べてみたら2003年だった、随分前じゃん!
かつての0系のように、1日も長く走り続けることを願うばかり。
約5時間に渡る新幹線の旅はここでおしまい。3時間以上シートに座っての旅は疲れるだろうなと思ったが、途中広島で下車したのもあって思ったほどの疲労感は感じなかった。
時間短縮もさることながら、乗り心地面でも一昔前の新幹線とは比べ物にならないくらい良くなっているので、広島あたりまでだと飛行機を使うか迷うところだなと思った。
一度東京から博多。さらには鹿児島中央まで乗り継ぐというのもやってみたいな(笑)
さて、これからバスで史跡の街、萩を目指します。