1台のMacでWindowsを同時に使おう! Parallels Desktopを使って良かった8つの事と使う前に気をつけるべき事。
MacBook Air(Mid 2013 以下、MBA)にWindows7をインストールし、MacとWindowsのデュアルOSライフを初めて9ヶ月が経ちます。
いや~もうこの環境の便利を味わったら、もうWindowsだけとかMacとWindowsで別々にPCを持つだとかなんて生活には戻れないですよ。
私は20年以上もWindows…というか、その前のMS-DOS(もう知らない人のが多いよね)からのユーザで、このMBAを買うまでMacとは無縁の生活だったんですよ。
Macに興味がなかったのではなく、高嶺の花だったんですよね。だってPC-9800シリーズとかが40~50万とかする時代ですから、Macなんて桁が1つ違うわけです。
Windows時代になって、Mac自体の価格は下がったわけですが、その頃は仕事でWindowsを使うほうで精一杯でMacの方まで手が回らなかったんですよね。
そんな感じでもうMacとは無縁の生活が続いていて、いつしかMacを持つことを諦めていたんです。
ところが、こうしてブログなどを書くようになったりして、そういった人達と知り合いが増えたりすると、ブロガーの人達って圧倒的にApple製品率が高い!
まぁそんな世界を見てるとだんだん洗脳されていくわけです。スマホもAndroidからiPhoneにしたりiPadを買ったりと、だんだん脳がApple化してくると、ついに無縁だと思っていたMacまで買ってしまおうか?という気になってしまったのです。
ちょうど、モバイル仕事用で活躍していたdynabook MX/33のパフォーマンス/ディスク容量とも限界に近づいてきて、次のモバイルPCを考えなければならないところだったのです。
とは言っても、仕事とかでメインはやはりWindowsがベースになってしまうのです。
しかしもうWindowsPCつまらないんですよね。どれも同じようなのばかりでデザインセンスもないですし。
MacでWindowsが動かせられればなぁ~と思いながらふと、昔SoftWindowsとかいうエミュレーターがあったな!と。でもあれは遅くて使い物にならないと聞いていたし。なんてことを考えながら調べていると、そもそも今のMacってOSが一から設計し直されて、ハードウェアもなんとWindowsと同じIntelのアーキテクチャーを採用してたんだと知ったのがまさにこの時(遅い!)。
ええっ!これって普通にWindowsインストールして動くんじゃね?と思ったのですが、そもそもそれならMacを使う意味がないですし、この使い方は出来てもライセンス違反になるんですよね。
さらに深く調べて見ると、なんとこのMacに搭載されているOS。Mac OS Xが標準で搭載している『BootCamp』という機能でWindowsを動かすことができるとあるじゃないですか!
この『BootCamp』とは簡単に言えばWindowsでマルチブートとかデュアルブートとかいって一台のPCに別のバージョンのWindowsを複数インストールして起動メニューで切り替えて起動するのと同じ仕組み。それをAppleが標準でサポートする機能があったのですね。
さらにもう一つは、Mac OSを起動したままの状態でWindowsを別に起動するという機能。『BootCamp』のほうはPC起動時にどちらを使うか選択するので両方同時に使うことはできないのですが、Mac OSのほうを動かしながら同時にWindowsも使えればこんなに素晴らしいことはないわけです。
この仕組みは『VMWare』や『Parallels Desktop』といった『仮想化』といった機能を使えるソフトで、Mac OS X上でWindowsを動かすことができます。
これって何かというと、先程のSoftWindowsと同じエミュレータで仮想化ソフトの中でいかにもWindowsPC本体が動いているように見せている仕組みなんです。
もっと分かりやすい例で言えば、ゲームをやっている人なら分かりやすいがですが、PC上でファミコンやPSの昔のソフトを動かせたりするアノ機能と同じです。
下の写真はParallelsを使ってMac OS X上からWinows7を動かしてます。
全画面表示にするとまさにMacbook Air上でWindowsだけを動かしているように見えます。
一番の心配はパフォーマンスだったんですが、ネット上の声を見てみてもかなり評判いいんですよね。
- ハードウェアの大幅な進化
- Mac OSがWindowsPCと同じIntelのアーキテクチャを採用
- 新設計されたMac OS Xの安定性
上記に挙げた点が大きいのではないかと思います。
さまざまな角度から検討した結果、最終的には、『Paralles Desktop 9 for Mac』をチョイスしました。『VMWare Fusion』との比較は何となくコッチのがいいかな?という理由だったのですが、『BootCamp』のような再起動して切り替えをして使うタイプより同時に使えたほうがメリットは大きいと判断したからです。
随分前置きが長くなってしまいましたが、MacOS X+Parallels環境でWindowsを9月使って良かったことをまとめてみたいと思います。
Mac+Mac OS X+Parallels Desktop for Mac上でWindowsを使うメリット
MacとWindowsで2台のPCを持つ必要がない
これは費用面と使い勝手面の2つのメリットがあります。
今回モバイルPCであるMBAの例ですが、別にWindowsノートPCを購入するとなると同等のスペックのモノを買うとなると最低でも5~6万は確実にかかってしまいます。
MBAにParalells Desktop(以下、Parallels)を導入する方法ですと、Parallelsが実売で7,000円程度。最新版のWindows8.1が12,000円程度と半額以下~3分の1程度で済んでしまいます。
使い勝手面においても、モバイル用途が中心ですとPCを2台持ち歩くのは現実的ではありません。このParallesを使えばMac一台でいつでもどこでもMacとWindowsを使うことができるのはとにかく便利ですよ。
インストールが簡単
Parallelsのインストールはもとより、Parallelsを起動してからWindowsのインストールも通常のWindowsPCへのインストール同様に出来ますので難しいところはありません。
- Mac上にParallelsをインストール
- Parallelsを起動し、仮想マシンを作成
- 作成した仮想マシンへWindowsをインストール
それほど、難しい手順や設定があるわけではないので、戸惑うこともあまりないでしょう。より細かなリソースの割当を変えることがインストール後でも出来るので、良く分からなければ手順に従ってインストールだけでも済ませて後で変更してもよいでしょう。
良好なパフォーマンス
安定性と共に、一番懸念していたところですが、結論からいうとパフォーマンス面では全く問題はなかったです。
以前PCMark 8などでベンチマークを取ってみましたが、一般的なCore i5の搭載のPCとほぼ変わりない性能でした。(私のMBAはCore i5 1.3Ghz、メモリ:8GB、SSD、256GB)
もちろん実際に使った体感的にも特段遅いという感じはありません。
これでWebやメール、ブログ記事の更新を始め、オフィスソフト(Word、Excel、Access)や業務系ソフト、たまにレタッチソフトやデータベースを使った開発作業などもしていますが、パフォーマンスに不満を持ったことは一度もありません。
3Dゲームや重い画像・動画処理など一部のヘビーな用途でない限り、十分なレベルでないかと思います。
抜群の安定性
このMBA内におけるWindowsの位置づけって、まずMac OS XありきでそこにParallesがあって、そのParallelsが管理している仮想マシンにWindowsが入っているという仕組みになっていますよね。
ということはMac OS XとParallelsのご機嫌一つで、Windowsが急に不安定になったり落ちたりする危険性もあるわけです。MacとWindowsの使用割合が3:7ぐらいの私にとって、Windowsが不安定になってはお話しになりません。
この点においてもこのMac OS XとParallelsの安定性は素晴らしいの一言!この9ヶ月使っていて、この2つが原因で不安定になって再起動したりしたことは一度もなしです。
Windowsは定期的に再起動かけてますが、まぁこれは殆ど立ち上げっぱなしなのでたまにリソース解放のために再起動をかけているだけです。
万が一Windows側が不安定になっても、仮想マシンとして独立しているのでMac OS側には影響を及ぼすことはなく安心して使えます。
同時にMacとWindowsで検証などができる
私はブログサイトをごちょごちょ触ったりしてるのですが、その変えた結果をいろんなブラウザーで確認する必要があるんです。たとえばMac標準のSafariなんかはMacしか使えないわけです。(以前はWindowsでも使えたんですけどね)
変更してその場で検証したい時に、同じPC上に複数のOSが動作していると、まとめて出来るというのは非常にありがたいのです。
それ以外にも使いたいアプリがあって、それがどちらかのOSしかサポートしてないという時や、今一つWindows版では不安定だからMac版を使ってみるか!だとか、そういうのが一台のPCでフレキシブルに出来るのは大きなメリットです。
2つのOSを同時に使える
先程も触れましたが、Mac OS Xが起動しているのが前提でWindowsも動作するため(Mac OS XがホストOSでWindowsがゲストOSの関係になる)、常に2つのOSが同時に動作していることになります。Parallels上でWindowsを常時立ち上げておけば、マウスやパットの操作一つで簡単にWindows画面に切り替えることができます。(もちろんその逆も)
下の写真はパットでスワイプしてMac OSからWindowsに画面を切り替えるところ。
さらにMac OS上のFinderなどからWindowsアプリケーションに関連付けられたファイル(たとえばExcelブック)をクリックすると、Windowsに画面が切り替わってExcelが起動してクリックしたExcelが開くという便利な機能も持っています。)
Mac上の各リソース(ネット、クラウド、デバイス)をWindowsからも使うことができる
当然のごとくMac OS X上からもWindows上からも同時にネットへアクセスすることができます。
またMacに接続できるUSB、FireWire、ThunderBoultに対応した周辺機器を共有することができます。USBメモリやデジカメをMacに繋げればMac OSからもWindowsからもファイルやデータのアクセスができるのは非常に便利です。もちろんMac上のフォルダーに保存したファイルをWindowsからもアクセスすることができます。
さらにDropboxなど、Mac上に展開したクラウド上のファイルも共有することができます。
下の写真はWndowsのエクスプローラーの画像。赤で囲ったところを見ての通り、Mac上のフォルダやDropBox同期用のフォルダーもWindows上からアクセスできるようになってます。
2ボタン、3ボタンマウスがそのまま使える
Macのマウスというと1ボタンマウスを思い出しますが、これをWindowsで使うにはどうしたら…と思う人も多いかと思います。
その辺も心配無用。普通にWindowsの2ボタン、3ボタンマウスが使えます。
もちろんMac OS上でも問題なく使えますよ。てかマウスに関しては1ボタンより2ボタンのが明らかに使いやすいのですがね(笑)
あんまりいい事ばかり言っててもアレなんで、デメリットというか気をつけておくべき事
ここまで散々MBA…というよりMac一台でMac OSとWindowsを同時に使うメリットを挙げたのですが、デメリット的なものがまったくないかというとないわけではないんですよね。
ちょっとその辺りも触れてみようとも思います。
キーボードの配列や割当に注意
当然の事ながら本体がMacである以上、キーボードもMacのキー配列なわけです。
大抵のキーはWindowsと変わらないわけですが、一部同じキーでも挙動が違ったり、そもそもなかったりするキーがあるので最初は戸惑うかもしれません。
具体例を出すと、まずBackspaceキーがありません。そしてDeleteキーですがWindowsのDeleteキーの動きではなくBackspaceキーと同じ動きをします。
Excelなどを使っているひとは分かると思いますがセルを複数選択して、その選択してる値をクリアする場合はDeleteキーを押せば全てクリアしてくれますが、Macの場合は最初に選択した一つのセルの部分しかクリアしてくれません。全て消すにはfnキー+Deleteとう操作をしなければなりません。(これはエクスプローラーからファイルを消す時もfnキー+Deleteでないと消えてくれません)
また、半角/全角キーもないので、半角と全角を切り替える時は、『かな』と『英数』キーで切り替えます。
Windowsキーもありませんが、『comandキー』が同じ動きをしてくれます。
MacBookユーザはトラックパットでは使いづらいかも
デスクトップタイプでなくMacBook ProやAirなどのノートPCユーザに限る話になりますが、トラックパットにはマウスの2ボタンの機能がついていないため、例えば右クリックでコンテキストメニューを出す時は『control+shift』を押しながらトラックパットをクリックとう面倒な操作をしなければなりません。
快適に使うためには2ボタンマウスの使用をオススメします。
PCのパワーやリソースはそれなりに必要
一つのPC内に2つのOSを同時に動かすわけですから、ある程度のCPUの性能と、メモリ、ディスク領域といったリソースはかなり消費します。
Core i5を搭載しているMBAであれば先程挙げた私ぐらいの用途であれば十分かと思いますが、メモリは最低でも4GBは必要でしょう。
Parallelsの動作要件では最低2GBとなっていますが、最新のOS環境では4GBを推奨しています。64ビット版Windowsを使うのであればやはり4GBは最低必要でしょう。できれば8GBまで拡張するのが快適に使うには望ましいかと思います。
一番やっかいのがファイルを保存するディスク領域。あまりに便利なのでどんどんディスク(SSD)にファイルが溜まっていってあっという間に残り容量がなくなってしまいます。
私もこの9ヶ月の間であっという間に256GBの4分の3を消費していることに気が付いて慌てて整理しました。
デスクトップ機ならテラバイトクラスのディスクを搭載しているので、それほど気にすることはありませんが、Macbookのほうは最大でも256GB~512GBと少ないので、あまり使わないファイルは別のHDDやNASに移動するなりして、定期的に整理する必要があるでしょう。
クラウドに退避しても同期してあると結局ディスクを消費してしまうので、普段使わないようなクラウド上のフォルダーは非同期にするなど工夫したほうがいいでしょう。
まとめ
最初はキーボード配列の違いや挙動の違いで少し戸惑うかもしれませんが、作業効率が落ちるというほどのものではなく、慣れでどうにかなる程度のものです。
それ以上にこのParallelsがもたらせてくれる一台でMacとWindowsのデュアルライフの恩恵は計り知れないです。
これを使うようになってから私のメイン機はこのMBAになってしまい、Windowsデスクトップ機はほぼ引退に追い込まれました(笑)
Mac使いだけどWindowsも使ってみたい。もしくは根っからのWindowsユーザーだけど、Macへの憧れもある。でも費用はあまりかけたくない。
PCの台数はこれ以上増やしたくない。もしくは減らしたい。
などの方にはまさに仮想化ソフトのParallels Desktop for Macはオススメです。
最近、最新版の10もリリースされたばかり、9よりさらに高速化や安定化が図られていて、 時期Mac OS X Yosemiteにも対応してます。
Parallelsのサイトより試用版もあるので、購入前にどんなものか試してみるのも良いでしょう。