収入が増えれば『お金の問題』が解決するわけではない。お金を稼ぐ力と維持管理する力は別モノ。
いつになってもお金がないと嘆いている人が周りにも大勢います。
何を隠そう私もその一人であります。
なるほど20年前と比べて、確かに収入は大幅に増えました。
20年前は稼ぐ力もなくお金がなくて毎日ヒーヒー言ってました。そして20年経った今、確かにそその時に比べるとはるかに稼げる力も実際の収入も大幅に上がっています。
ところが、20年前と比べてお金が残っていて安心して暮らせているかというとまったくそういうことはなく、むしろ当時よりも多くの『お金の問題』を抱えています。
20年前はあと数万円あればもっとお金に困らず安心して毎日を送れるのになぁ…と常に思ってまして。
そしてそれが5年、10年、15年と経ち、あと数万あればなぁ思っていた収入はほぼ順調に手にしていたと思います。ですが、この『あと数万あればなぁ…』という心の声は収入が上がってからほぼ現在に至るまで消えることはありませんでした。
何故か?
当たり前の話なのですが、手元にお金が残る仕組みって、
収入>支出。
なわけです。
当然の事ながら、いくら収入が増えてもその分支出が増えれば、手元にはお金が残るわけがありません。それどころか収入が増えるとともにそれに合わせて支出がそれ以上にかさむようになりました。
そして毎年のように『あと毎月これだけあれば…』というのを繰り返していたわけです。
むしろ本当にお金がなかった20年前のほうが、自分の家計的には健全だったと言えるでしょう。なまじ収入が増えたばかりに、マンションや車のローンを組めたり、クレジットカードは自由に使えたりで簡単にモノやサービスが手に入るようになり、お金があるものだと勘違いしてしまうのです。
ロクに運動もせず、若い時と同じような食事するような生活習慣を続けていると、どんどん太っていき生活習慣病(メタボ)にかかるリスクが一気に高まりますが、お金もそれと同じように増えたら増えただけ支出が増えてしまう、『お金の生活習慣病』にかかっているのですよね。
結局、このお金の生活習慣病から抜け出すには、収入を増やすことではなくお金を維持管理すること、つまり無駄なお金を使う習慣を変えることが必要になってくるということです。
こういったことを今更ながら考えや習慣を改めるようになったのは、少し前に読んだこちらの本を読んで先程書いたようなハッと気付かされることが多かったからです。
- お金の教養(泉 正人 著)
日本人というのは昔からお金の話をすることにイヤらしいイメージがあって、それは今もそんなに変わっていない感じがします。その影響もあって生きていくのにもっとも大切な事の一つであるにも関わらず、きちんとした教育を受けたことがないと言う人がほとんどじゃないでしょうか。
タイトルにもあるように、お金を稼ぐということ、そしてお金を維持管理するということを学ぶとうことは、より安心して毎日を送る為にも大切な教養だということをこの本は教えてくれます。
上に挙げた話をもう少し極端に判りやすくした話として、宝くじで数億円当てた人や多額の資産を相続した人の話を聞いて、その人が数年後悠々自適に暮らしているかというと破綻したとく話を多く聞きます。私もごくごく近しい人でも何人かそのような話を聞きますが、なんでなんだろう?思ったものです。
これこそが、まさにお金を扱う知性、つまり『お金の教養』が備わっていないという問題から来るものだということがこの本を読んで理解しました。
繰り返しになる言葉もありますが、この本の心に残った言葉です。
つまり、どんなに「お金を稼ぐ能力」を向上させても、「お金を持ち続ける能力」を身に付けてお金の教養そのものを高めないことには、お金は逃げていくだけなのです。
大事なのは、ここで学んだお金を持ち続ける知識を得るだけではなく、この正しいお金の扱い方を習慣づけていく。続けていくことでしょう。
ダイエットも筋トレも一日や二日で効果が出るものではありません。お金の習慣も同じ事で1日や2日変えたところで、すぐにお金が手元に残ったり安心して毎日を送れるようになるわけではありません。良いお金の習慣を続けていくことで、初めてお金の問題や不安から解消される日が必ずくると胃いう事です。
私もお金の習慣を変えている最中の身でありますが、家計や今まで買ったものを一通りたな卸ししてみるといかに自分が見栄や世間や周りを気にしていかに対して必要でもないものや、ムダに高いモノを買ったりしていたかということに気付かされます。(殆どそれらは売却するなりして処分しました)
今はモノも半年前からすると3分の1以下しかありません。洋服なども1~2ヶ月に一回ぐらいは買ってましたし、買ったはいいが着ない服も沢山あったのですが今では半年に一回必要な分だけしか買わなくなりました。本当に必要と思うものしか買わなくなりましたし、それで全然十分だと思うようになったのですよね。
収入の多さとモノの多さが、自分の幸福感と一致しているわけではないということもここで気付けたわけですね。それよりか本当に自分が価値を感じているものだけに投資したりするお金だったり、いざと言う時に為にいつでも使うことができるお金を持っておく安心感を持っておきたいと考えるようになりました。
下の写真はKindle版なのですが、目次の最初のほうを紹介しておきます。第一章を見るだけでもお金に悩まされている人にはかなり気になるテーマだと思います。
いつまで経っても、なかなかお金が手元に残らずに悩んでいる方。もしかしたら私と同じように『お金の生活習慣病』かもしれませんよ。もしこの記事を読んでいて思い当たるフシがあれば、是非とも一読をオススメしたい本です。