ファミレスの『接客教育』を目の当たりにして『接客』とは何ぞやと思ったこと。
今日、仕事帰りの夕食に某中華系ファミリーレストランに入ったときの出来事。
夕食には少し早めの時間に入ったので、私が入ったときにはまだ数組のお客さんが入ってる程度。
ところが、入って驚いたのは入っているお客さんの数に見合わないスタッフの多さ。
何事だろうと思って席に案内されてメニューを眺めていると、レジの近くという事もあって先程のスタッフがレジの近くで集まってマネージャーらしき人の話を聞き入っている。
どうやら接客の教育をやっているようだ。
特にこっちが聞き耳を立てているわけでもないのに、そのやりとりが聞こえてくる。
かなりここのマネージャーは接客の教育に熱心なようだ。
なるほど、確かに案内された時もどことなく普段のファミレスよりか接客が丁寧だ。
しかし…
果たしてお客が少ないとは言え、営業時間中に明らかに教育とわかるような動きや声が聞こえるというのは果たしてどうなんだろう。
たまたま接客中にマズい対応があって、こっそりと注意するよう感じというのならわからないでもないが、堂々と固まってこのときはこう!あの場合はこう!とかマネージャーらしき人が延々とアツく指導しているのだ。
とにかくこっちは気になって仕方がない。メニューを決めて注文するのも思わず躊躇してしまうくらい割り込んだら悪いという気になってしまった。(小心者)
料理が来てからも、お客が増えてからも場所を移動しながら延々と指導が続いている。今ここにいるお客はモニターなのかと思ってしまった。
ここで食事を済ませながら一仕事しようと考えていたのだが、あまりに教育現場が気になって落ち着かないので、結局食事だけそそくさと済ませて出て行ってしまった。
その間食事を持ってきてくれた時も、下げに来てくれた時も、レジの対応もすこぶるいい。そこだけを見ればちゃんと接客が行き届いているなと思うところだが、目の前のお客をものともしない教育現場を目の当たりにしてしまうと全てが空々しく見えてしまう。
その『教育現場』で聞こえる声や話し方は接客とはほど遠い裏側のロッカールームのノリに近い。まぁ裏でとか営業時間外であれば多いに結構。だが、ゆっくりと食事をしながら一人の世界にでも入ろうとしていたこっちからすればノイズ以外の何者でもない。
ファミレスとは言えど仮にも『レストラン』の冠を持っているところである。牛丼屋や立ち食いそば屋、ラーメン屋など食べてサッと帰るようなところならまだしもだ。
ファミレスも含め座ってゆっくり食事をするというのは、単に食事を済ますと言う目的だけではなく、その場の雰囲気を味わったり、また私のように仕事帰りにホッと一息ついて自分だけの空間や時間を求めている人もきっと多いのではないかと思うのだが、大げさだろうか!?
キチンとした言葉遣いや挨拶、食事の出し方や下げ方、レジの対応。どれも接客に大事なものだと思うが、何よりも大切な接客はお客さんに気分良く食事をして貰って帰ってもらうことでないか?
なんとも本末転倒な接客の教育現場を見せられて、小心者の私は会計時にノド元まで出掛かった小言を飲み込んで店を後にしたのであった…。