神田まつや 明治17年創業 江戸の蕎麦の味を引き継ぐ老舗
私はそば通…などという程のものではないですが、蕎麦好きであります。
本場の蕎麦の老舗を食べ歩くとかそういうわけでもなく、立ち食い蕎麦屋の蕎麦粉より小麦粉たっぷりの『そば』でも全然オッケー。
そんなこだわりのかけらもないただの蕎麦好きですが、たまーにしっかりと蕎麦の香り漂う、蕎麦らしい蕎麦を食べたくなる日もあるのです。
一昨日、山口からの帰りの飛行機で、席の前に置いてある機内雑誌をパラパラめくっていると、目に入ったのが江戸の蕎麦の味を引き継ぐ老舗の紹介記事が。
これを読んだら蕎麦のスイッチが一気に点火。ちょうど次の日に仕事で都内に出向く用事があり、そこから地下鉄で2駅ほどの場所と近いので行ってみることにしました。
地下鉄で2駅なので散歩がてら歩いて行ったのですが、最寄り駅は東京メトロ丸の内線の淡路町駅。
A3出口を上がってすぐ靖国通りを岩本町方面(淡路町交差点と逆方向)に歩いてすぐ、りそな銀行が入っているビルの隣にある蕎麦屋さん『神田まつや』。
見ての通り、いかにも老舗という雰囲気。この近くは何度も通ってるんだけど、全然気がつかなかったなぁ…いかに周りを気にして歩いていないかがわかる。
ちなみに一つ裏に入った道に入ると、こういった老舗の店が軒を連ねている。
この『神田まつや』の創業は明治17年。江戸の蕎麦の味を伝える老舗。
なんでも食通で知られる小説家、池波正太郎もこの店をご贔屓にしていたとか。(私は読んだことがないが、池波正太郎のエッセイにもその事が書かれているらしい)
早速店の中へ入ってみる。昼を少し外した時間だったが、60人ぐらい入れそうな店内はほぼ8割ぐらいは埋まっている。
老舗の蕎麦やだけあって御年配の方が多い。店内は創業当時の雰囲気満点。
柱時計やこね鉢が歴史を感じさせる。鉢の下が蕎麦を打つところになっているようだ。以前は機械製麺だったが3代目に変わった昭和38年からは一貫して手打ちにしているらしい。
皆入ってくるお客さんは、サッと食べて出て行くため、店内は混んでいても並ぶような混み方はしないようだ。
ちょっとピンボケになってしまったがお品書き。昔ながらのそば屋のメニューそのもの。私は大ざるを注文。
注文してから5分程度で出てきた。店内を見てると混雑に慣れているのか手際がいい。
大ざるを頼んで量は多くないかなとちょっと心配になったが、今と違って昔の感覚なので普通盛りの2割増しといったところ。
いかにも蕎麦らしいいい色。この大雑把に刻んである海苔がいいですね。
蕎麦つゆは、やや濃い目のやや辛口といったところ。このつゆの味が江戸の蕎麦つゆの味らしいです。
手打ちですが、機械で切ったように均等に切られているんですよね。
つゆが濃い目なので、取った蕎麦の下のほうに少し漬けるだけで十分。
最初につゆがついてないところで蕎麦の香りを感じつつ、ズズッっとつゆを絡めたところまで口に含む。
蕎麦は適度にコシがあって香りと甘みとノド越しの良さ、つゆの濃さと辛味、海苔の香りのバランスがとても良い美味さです。
箸でつまむとちょうどいい量を取ることができて、テンポ良く食べることができる。
こういうちょっとした細かいところに深さを感じます。
蕎麦湯の湯桶がまたでかい。これも昔ながらの伝統なんでしょうね。
明治から続くまさに老舗の雰囲気一杯のお店ですが、気軽に食べてもらおうという店作りなので、気合を入れて食べに行こうというよりは、小腹がすいたのでふらりと立ち寄ってみよう。ぐらいの気持ちで入れるお店です。こういった考えのお店なので、予約も一切受け付けてないようですね。
私もこの近辺にはちょくちょく来るので、いい名店を発見できて得した気分です。
立ち食い蕎麦屋に入るような感覚で、明治から伝わる江戸の蕎麦の味をお試しになってみてはいかがでしょう。
- 神田まつやウェブサイト
- 神田まつや情報
神田まつや
ジャンル:手打ちそば
アクセス:JR神田駅 東口 徒歩5分
住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-13(地図)
周辺のお店:ぐるなび 神田×そば
情報掲載日:2014年9月2日