学びは実践と失敗があってこそ初めて学びの成果に結びつくということ
何かを学ぼうとする時、今の時代は情報が溢れかえっているため、それらの必要な知識は簡単に手に入れることができます。また、その道で成功した人のセミナーやワークショップなども多く開催しているので、対価を払う事によってそれこそ自分が今まで経験した事がない知識や考え方、ノウハウを知ることができます。
何かを学んでその成果を出すためには、先程書いたように正しい方法を習って、反復練習で覚える。それはわかりやすいところでは学校の授業や塾の講習をはじめ、スポーツしかり、社会に出てからの仕事にいたるまで殆ど全てのことに当てはまると思います。
私も興味のある分野や人生で学びたいことなど、学ぶ事は嫌いではない…むしろ好きな方なので書籍を買ったりネットで情報収集をしたり、セミナーやワークショップを参加したりして、できるだけ効率よく成果(アウトプット)を出せるように取り入れようとしています。
ところが学びの成果を出すにはこの正しい方法を習って反復練習で覚えるというステップだけでは不十分だということです。
もう一つのステップ、『先ほどのステップで学んだことを実践し、現実的な環境下成果出せるように経験を積む』を踏むことで初めて学びの成果が出るものだということです。
例えば、私の本業の一つであるプログラミング。情報処理系の学校に行って、必要なプログラミング言語の知識を得てプログラミング実習をする。それを繰り返して学校を卒業しました。学校で必要な知識と技能は身につけましたが、それを仕事で即生かして戦力になれるかというとまったくそうはなりませんよね。少なくとも2年なり3年なりの実践経験を積んで何度も痛い目に合いながらようやく一つのまとまった仕事を任せて貰えるレベルです。
私の趣味の写真も同じです。カメラの使い方上手な写真の撮り方を学ぶには巷に書籍や雑誌が溢れています。またこれらのセミナーやワークショップで実際にプロから知識を学んだり撮影会などで直接プロからテクニックを学べたりします。だからといって本で知識を仕入れたり、プロに学んだりして即コンテストで入賞したりするような写真が撮れるというものではありません。実際に日々写真を撮って失敗に失敗を重ねながら感性を養っていくことで初めてコンテストなどに応募しようかな?という写真を撮れるようになります。(自分はまだまだそのレベルではないですが)
このように、実際に自分が上がりたいステージに上がって幾度もの失敗を重ねて自分の肌で感じ取って初めて学びの成果を手に入れられるものだと思っています。最初のステージの段階では所詮は頭の中の世界でしかありません。ところが、中にはいつまで経っても最初の学びの世界にばかり留まっている人達も見受けられます。最初の学びの世界に留まっている人達は実践でのフィードバックがないため学びのアウトプットが今一つ見えないなぁと思うことが多いです。
確かに対価を払って書籍やセミナーなどでその道の成功してる方からノウハウや知識を得るというのは、自分が一から経験するより遥かに効率がよいことではあります。ただ学んだからといって自分がその経験をしたわけではない。同じ知るでも机上で知るのと実践の中で試行錯誤をしながら知るのとでは肌への感じ方が全く近います。それに先程も言いましたように必要な知識やノウハウを入手したからといってそのまま通用しないことは多々あります。そこは自分の置かれた環境で自分なりに考えて調整していかなくてはいけません。そういったことは最初に頭の中で学ぶことでは決してわからないことです。
これは個人的に思うことなのですが、最初の学びの世界で留まっている人はどこか綺麗な生き方をしようとしているではないかなぁと思います。しかし実際に成功している人何らかの大きな学びの成果を出している人達は大きな失敗を幾度となく繰り返しています。その失敗から学ぶことで最後に大きな成果を手にしているというのは例外のないところでしょう。必ずそういう人達は時には大きな絶望を味わったり泥水をすするような生き方をしてきた人達ばかりです。
こんな偉そうな事を書いている私とて学ぶばかりで実は肝心なところで踏み切れて居ない事が多い一人。新たなことに挑戦する学ぶことはとてもエネルギーを費やすことなので、時には面倒に思えたり見えない先の事の不安や失敗した時の事を恐れて実践する前にもう少し学んでからとなるべく失敗からのリスクを避けようとしてしまいます。しかし、自分が行きたいステージに立たない限りいつまでも学びの成果が見えることはありません。どんなに机上で学習しても実践して失敗しない限りは本当の意味で学ぶことはできないからです。自分に対しての戒めと鼓舞する意味でもこうして書いております。
ここに書いたこと、実は最近読み終わったある本。社会派ブロガー ちきりん さんが書いた本『マーケット感覚を身につけよう』という本に書かれていた内容の一部で、とても心に響いたことだったので引用させて頂きました。
ここで書いたことはこの本のタイトルである、マーケット感覚を身につけようというとは直接の関係はないことでしたが、マーケット感覚を身につけることも、最初の学びのステップと学んだことを実践してフィードバックを受けるステップが必要だということは、他のこととなんら変わらないということです。
ちなみにこちらの本、マーケットなんて言葉を使っているとマーケティング理論などどいう小難しい本なのかなと身構えてしまいがちですがそういった本とはまったく違います。(私もそんな小難しい本は読めません)
少なくともこの移り変わりの激しい現代において、個人が生き残って行くために必要な(自分を含めた)価値を見極める感覚を身につけましょうという本です。
そのマーケット感覚を鍛える5つの方法とというのがあり、そのうちの1つ『失敗と成功の関係を理解する』の内容『学びに不可欠なふたつのステップ』を引用させて頂いた次第です。
久々の良書だったので、興味のある方は読んで見てください。(Kindle版もあります)
自分の価値って何だろう?と少しでも考えるようところがあるようなら、この本はとてもオススメです。