新山口から萩への移動中は一人旅の寂しさを感じた ~ 山口・萩の旅(その6)
8/29からの3日間、山口・萩の旅。
新山口で広島からの500系『こだま』とも別れを告げ、いざ最終目的地の萩の街へ。
新山口駅からは、バスの旅となる。ここから終点の東萩駅まで特急バスで1時間15分、普通バスで1時間35分のいずれも長旅となる。
私が乗ってきた『こだま』の時間帯だと15:15分の普通バスの時間が一番近いためそれに乗っていくことにした。
バスが遅れることも計算に入れると、やはり17時前に東萩駅に着くバスに乗っておきたい。
新幹線口を降りてバス乗り場に向かって、東萩駅までの切符を窓口で購入。2,060円であるが特急も普通も料金は変わらない。
15分ほどで来るので缶コーヒーを買ってゆっくり飲み干しながら待つことに
新山口の方はあいにくの雨模様、ポツポツ振り出してきている。バス乗り場には他に7~8名ほどいたが、どうみても観光客というより地元山口の人か、大きなバックを持っている人も帰省か何かで地元に帰ってきたという感じで、観光ムードはこれっぽっちも感じられない。あまりバスを使って萩に行く人はいないのだろうか?
カメラのSDカード(Eye-Fi)が故障したというのもあって、なんとなくモヤモヤした感じの中でバスが到着。
うっかり写真を撮り忘れてしまったが、来たバスは殆どこっちで乗っているのとは変わらない路線バス。普通バスと書いてあったのでまさかね?とは思ったがこれで1時間半の乗車はキツイなと思った。
荷物の置き場に困るなと思いながらシートの横に置いていると、タイヤの位置がちょうど台のようになっていて、こっちに置いていいと言われたので大きなバックはそちらに移動。
バスが出発して途中、新山口駅の反対側の改札や近辺のお客さんを乗せたが、私のように明らかに観光客ですよ。という感じの人はいなかった。
どことなく場違いなアウエーの空気が漂う。もしかしたら観光客は特急バスかレンタカーでも借りて行くのかもしれない。
しばらくすると街中を抜けて、辺り一面山や田んぼなどの景色が続く。
最初のうちま窓の景色を楽しんでいたが、天気が悪いのもあって同じような景色ばかりでそのうち飽きてしまった。
その間カメラのEye-Fiカードをごにょごにょとイジってなんとか復活させようとしたが、状況は変わらず断念。
この辺りはソフトバンクはロクに電波が入らなかったり、入っても3Gなのでとてもネットをする気にはならない。
こういうときこそ本を読むのがいいのだが、残念ながらバスで本を読むと気分が悪くなるのでそれもできない。
長く単調な景色で退屈な時間が続くとだんだん気持ちが不安になっていく。なんだか目的地に行くというより目的地が見えない旅をしているかのようだ。
一人旅は好きだがこういうようなシチュエーションに出くわしたことがなかったので、一人旅の寂しさはこういうところで感じるのだなと思った。
早く萩の街に着かないかなぁと、どことなく落ち着かない感じでいると1時間20分が経過してようやく今までとは違う住宅地らしい景色が見え初めて来た。
静かな場所での一人旅がしたくて出掛けたのに、人の気配がするところを見てホッとするというのも随分勝手なものだなと思った。
しかし萩の中心地に入ったと思われるのだが、まったく人気がない。平日というのもあるし、萩という街は昔ながらの景観が守られている数少ない街というのもあるので、普通の街中のように高い建物やショッピングセンターのようなところはないのかもしれないがそれにしてもまず人が殆ど歩いていない。
うーん、なんかずいぶん寂しいところにきてしまったなぁ…と思いながら中心地を外れて萩の街を形どる川の一つ、松本川を渡ると終点の東萩駅。
地方の主要駅というのは駅前は何もなくて中心地は別のところにあることが多いが、ここ萩の街も同じで萩市の主要駅で東萩駅も周辺はこれといって何もない駅だ。
ここで降りた人も私のほかに2人だけ。この人達は観光客らしかったが別の方角に行ってしまった。
かろうじて駅の前に萩ロイヤルインテリジェントホテルというビジネスホテルがある。二泊目はここにしようと思ったのだが残念ながら満室だった。
今回の宿『萩本陣』までは東萩駅から山の方に向かったところにあるので、そこまでは歩いていくことに。途中松本川沿いに歩いていくが人がいない…
山陰本線をまたいで宿に向かう。写真ではわかりにくいが目の前に見える茶色い建物が『萩本陣』だ。地図で確認した感じよりずいぶん遠い気がする…
天気はこちらも今一つで涼しいのだが、大きい荷物をゴロゴロ引っ張っているので汗がダラダラ出てくる。送迎頼めばよかったかな?
とりあえず目の前にあるホームセンターらしきところでSDカードがあるか探してみようとはいる。
SDカードは見つかったが、中にいたお客さんも顔を合わせたのは一人だけだった。再び宿を目指すとする。
実際の辺りの明るさよりも、私の目には随分暗い雰囲気に感じた。車はボチボチすれ違うが人はまったくいない。もちろん観光客は皆無だ。
なんだかエラいところに来てしまったんじゃないか…!?
ゴロゴロと響くスキーバックの車輪の音だけがむなしく響き渡っていた。
『とりあえず暗くなる前に宿に入ろう…』
どことなくモヤモヤした不安を振り払うように、やや急ぎ足で宿の方へ向かっていった。