写真データ保存場所の確保やバックアップに最適!クレードルタイプHDDケースを導入。
結局、写真データ保管用の装置(HDD)を導入しました。
まだ全てのデータの移行は終わっていないですが、導入した装置の検証も一通り終えたところなので(やれやれ…)気付いたこと等をレビューしていこうと思います。
そもそもの導入のいきさつ
この写真の保管場所問題は以前よりブログのエントリーで書いての通り、メインPCであるMacBook Air(以下、MBA)に日々増え続ける写真データの置き場がなくなって別の装置を考えなくてはならないところから始まっています。
ちょうど自宅にはバックアップや動画を置いてあるネットワーク対応HDD(NAS)の1TB×2(RAID1で稼動)が置いてあるので、日々溜まる写真データはNASのほうに移動して現像ソフトLightroom5で管理するようにしました。
カメラからは一度MBAに取り込むようにしてある程度溜まったら(というよりMBAのディスクの空き容量がピンチになったら)NASへ移動する。というのを繰り返しています。
ところが今の環境では2つほど大きな問題があります。
- NASへのアクセスが非常に遅い。
- NASの空き容量があまり残っていない。
1.については、一つは通信環境のも問題。これは遅い802.11gの無線環境を使っていたことで写真データの移動やLightroom上でのアクセスが使い物にならないくらい遅かったため。
これについては、無線LANの使用をやめ、Thunderboult対応のギガビットイーサネットアダプターを使うことにより、ファイルの移動やLihgtroom上でのアクセスは幾分改善されたものの、期待したほどのパフォーマンスではないのです。
さらに、MacからNASへのアクセスはSMB(優先的にSMB2を使っているものと思われる)プロトコルを使ってアクセスしていますが、これがどうにもパフォーマンスが良くない。特にフォルダーやファイルの数が多いと表示までに普通に数十秒から数分待たされることがあります。どうもMacのFinderの仕様で画像をサムネイル表示するしないに関わらず画像を読み込んでいるらしく、それに時間が掛かってるような感じです。
2.については、現状で200~300GBほどの空き容量があるが、カメラから写真が取り込まれる度に数ギガバイト増えていくので、もはやNASの空き容量も時間の問題。
このままのペースではNASも数ヶ月後にはパンクの恐れが出てきたため、既存環境だけでの対処しきれないということ。
さらにもう一つ潜在的に大きな問題がバックアップ。このように日々溜まっていくデータの置き場ですら心許ない状態なので、バックアップは全くしていないのです。これは以前から気にしていて内心かなりヒヤヒヤしながら使っているのですね。
こんな状況で、精神衛生上非常によろしくないので意を決してバックアップを含めたディスクシステムの導入を決めました。
導入するにあたって
装置を導入するにあたって絶対的に必要としているスペックをまず整理したのが下の内容。
- USB3.0もしくはThunderBoult対応の装置(ただThunderBoultはギガビットで使用しているためおそらくUSB3.0)
- なるべく大容量(2TB以上)だがコスパや販売価格とのバランスがよいもの
- ディスクを交換できるタイプのもの
- 当然の事ながらMac OS Xに対応していること
これらの条件を満たすとなると容易にHDDの取り外しが可能なクレードルタイプのHDDケースを買うのが一番だなと思いました。
調べてみると最近この手のケース多いんですね!
その中で、大容量のHDDに対応してさらに2台までHDDを差し込むことができるケースが目に留まりました。
それが今回購入した、センチュリーの『裸族のお立ち台DJ クローンプラス SATA6G』。(以下、本機)
うーん、名前のセンスが何とも…(^^;;
だが、装置そのものはこちらの要求スペックを全て満たしている実力者と見た。
インターフェースはUSB3.0とeSATA6.0にも対応している。2TB以上の大容量HDDにも対応。(一応メーカー側では4TBまでは動作確認済とのこと)
ディスク装置はSATA対応のHDDのほか、SSDにも対応している。
2台までディスク装置を差して認識することができ、さらにこのケースの機能で片方のHDDの内容をもう一つのHDDへ丸ごとバックアップをする機能がついているのだ!
まずは開封~データの移動。全く問題なく使える。
とりあえず大まかな特徴を述べたところで、さっそく開封してみる。
箱の中の構成は、本体の他にUSB3.0ケーブルeSATAケーブル、ACアダプター、それと説明書。
本体の拡大写真。
HDD/SSDの2スロットに、ボタン類は左からPOWERボタン。PCモード/COPYモード切替ボタン、COPYスタートボタン、COPYインジケーターとなっている。
本体裏のは、左からeSATAポート、USB3.0ポート、アダプター差込口となっている。
HDDスロットはSSDも差し込めるスロットがついている。
スロットを押してみると、SATAスロットが見える。
USB3.0ケーブルでMBAと本体を接続。
んで、今回保存&バックアップ用のディスクはというと…。
1MB辺りの単価と価格の安さとのバランスが一番よい3TBのディスクをチョイス。できれば一本1万円以内に収めたかったが、2TBだと1MB当たりの単価的にお買い得感が薄れるのと、RAW形式の写真データの大きさを考えるとディスク容量は大きいことに越したことはない。
チョイスしたのはSeagateのST3000DM001 (3TB 7200rpm)。
信頼性なら断然日立製なのだが、このSeagateより5,000円も割高。基本的に壊れることを前提にバックアップをもう一台用意しているので、これで十分。
裏面を見て分かる通り基盤が一部むき出しなので、そのままむき出しで使うのは静電気が気になると言えば気になる…。
本体に差し込んでみる。ファミコンのカセットのようだ…。
ただ、ファミコンのカセットのようなカッチリ感がないので、スロットにしっかり刺さったのか感触がわかりにくい。
軽く指で振ってみると結構グラグラする。あまり近くにモノを置いたり、簡単に手が当たるところへは置かないほうがいいようだ。
取り出す時は左側にあるHDD1(2)と書いてあるボタンを押すと、スロットから外れるようになる。この辺もファミコンのカセットと同じだが、もちろんポンッ!と飛び出したりはしない(笑)
POWERボタンを押すと、POWERボタンとPC/COPYボタンが青色に光り、HDDのモーターが回りだす。PC/COPYボタンはPOWERボタン投入時は青色のPCモードになるようになっている。
Mac上から『ディスクユーティリティー』を開いてみると、3TBのHDDが認識されています。
このままではまだMac上で使えないのでパーティションの割当とフォーマットをします。
複数のパーティーションに区切る必要もないので1パーティーションに『photo1』という名前で3TB全てを割り当てます。
無事パーティーションの割当とフォーマットが完了。
FinderでもフォーマットされたHDDが認識されています。
HDD2の方にも同じようにハードディスクを差し込んでパーティーションの割当&フォーマット。(photo1_backupという名前にします)
Finder上からもphoto1とphoto1_backupの両方が認識されています。
さて次は、SSDに溜まっている写真データの移動。
ちなみに私のMBA本体のSSDの空き容量。もはや風前の灯…。これ以外にNASのほうにある写真データも移動する予定ですが、まずはSSDの空きを作ることが先決。
写真データはLightroom5(以下、LR5)上で管理しているので、LR5上から写真データの移動をします。
移動後の空き容量。30GB確保できました。
まだ他にも写真データやクラウドからの同期データが散らばっているのでもう少し整理できますが、取り敢えずは一安心。
ちなみにLR5からの移動にしろ、LR5からの編集する際の画像の読込、Finder上からのフォルダーやファイルの表示など、速度に関してはまったく問題なし。
さすがにMBA内部のSSDと比較すると体感的にも遅さは感じるが、SSDと比較すると遅く感じるというだけで、実用上は十分な速度。NAS経由でのイライラを考えるとそれこそ天国のような世界だ。
HDD間を丸ごとコピーするCOPYモードも試したが…
そのまま、HDD1(photo1)の内容をHDD2(photo1_backup)にMBA上からコピーしてもよかったが、コピーの処理にMBAが占有されることになるので、一旦MBAから切り離して本機のもう一つの機能である、HDDの内容を丸ごとコピーするCOPYモードを試してみることにした。
ただこのコピー機能。少々注文が付く仕様となっている。
まず説明書を見なければわからなかったが、コピー元とコピー先のスロットが決まっていて、コピー元がHDD2のスロット、コピー先がHDD1のスロットなのだ!
普通だとコピー元がHDD1だという先入観があるので、うっかり間違えたら中のデータが全て消えてしまうことになるので注意が必要だ。
確かによくよくスロットの取り外しボタンを見てみると、HDD2からHDD1へコピーするよ!と言った感じのマークが付いている。
他にも注意する点があって、
- 動作不安定なHDDや不良セクターがあるHDD
- コピー先のHDDがコピー元のHDDが小さい場合
はコピーすることができません。また同容量のHDDでもメーカーや製造時期の違いによって、コピーできない場合があるので、同容量のHDDを使う場合は同じ型番のものにしたほうがよいでしょう。
さて、実際にCOPYモードを使ってみます。
まず同じ形のHDDということで、間違えると取り返しが付かなくなるのでラベルを貼っておく。(この時点ではまだ逆に差している)
MBAからHDDのマウントを解除して、USBケーブルをMBAから取り外します。
次に一旦POWERボタンを長押しして電源OFFにします。
HDDを入れ替えて、コピー元(HDD1)にphoto1のHDD、コピー先(HDD2)を挿入します。
次にPOWERボタンを押して電源を投入します。
普通に立ち上げたままだとPCモードになってしまうので、PC/COPYボタンを3秒長押しします。
赤に変わって、COPYモードとなりました。
スタートボタンを押すとコピー開始です。
HDD1、2ともにランプが点滅を始め、インジケータが1つきます。インジケータは4段階(25%、50%、75%、100%)で例えば25%を超えるまでは点滅、超えた後は点灯状態になります。
このコピー機能ですが、注意すべき点はファイルをコピーするのではなくディスクのセクター単位で丸ごとコピーしていくので、極端な話、1KBのファイルが一つでもディスク一杯にファイルで埋め尽くされてもコピーに掛かる時間は同じだということです。
ちなみにこの3TBのHDDのコピーに掛かった時間は約6時間です。(メーカー公称値で1TBあたりで約2時間とのことだったのでほぼ公称値どおりでした)
コピーが完了すると。インジケータが100%まで点灯し、HDD1、2とも点滅から点灯に変わります。
一旦電源をオフにして、MBAにUSBケーブルを接続後、本機の電源をオンにします。
Finder上で中身を見ると、全てコピーされていました。
ただ、セクター単位でコピーをするため、コピー先のボリューム名だったphoto1_backupがコピー元と同じphoto1という名前に変わってしまいました。
これを見て分かるとおり、ファイルのコピーでバックアップをするわけではなくHDDのクローンを作っているのと同じことです。(だから製品名がクローンプラスなのか!)
セクター単位でコピーするのでコピー先のHDDにパーティーションの作成やフォーマットをする手間が省けるのはいい反面、PC上から見た場合、どちらが元なのかぱっと見で判断できなくなるので、HDD本体にラベルを貼っておくことは必須でしょう。
このCOPYモードを使う時は、使用容量の多寡に関係なく一定時間を要するので、PCを使わない夜間に動かすのが実用的な使い方でしょう。
容量の少ないうちは、Finderやバックアップソフトなどでファイルのコピーによるバックアップをするのでも良いかもしれません。
まとめ
実際使っていてもう一つ気になる点がUSBケーブル。
少々太めで固いケーブルということもあって、MBA側のUSBポートへの収まりが今一つよくなく、ちょっとずらしたりするとMAC OSがシビアなせいもあって、接続が切れた旨のメッセージ(不正なディスクの取り外し)とともに再度ケーブルを抜き差ししないと認識しなくなります。
最初はちょっとキワモノなパーツのようにも感じましたが、実際使い始めるとごくごく普通に使うことができます。ただ、むき出しで少々上がグラつくHDD、COPYモードの使い勝手にクセがあったりと、ある程度PC機器類の取り扱いやPCの知識がある人向けの製品という感じです。
逆にある程度扱いに慣れている人であれば、安価にデータの保管場所やバックアップシステムを構築できる有効な手段の一つだと思います。
この『裸族シリーズ』、本機の『裸族のお立ち台DJ クローンプラス SATA6G』は2台まで接続できるタイプですが、1台のみのモノやLANやWi-Fiに対応したモノなど多数ラインナップされているので、用途に合わせて検討してみてはいかがでしょう。