工場夜景でデジカメの長時間露光時の画質をチェック ~ OLYMPUS E-M1/E-PL3 比較レポート
オリンパス製デジカメ ミラーレス一眼 OM-D E-M1とPEN Lite E-PL3の比較レポート第二回。
前回に夜景撮影で5軸手振れ補正機能チェックの記事を書いて随分日が空いてしまいました。
- 前回のエントリーはこちら。
夜景撮影で5軸手振れ補正機能をチェック ~ OLYMPUS E-M1/E-PL3 比較レポート | 旅とTABIの記憶書
その間カメラを使っていなかったと言うわけではなく、比較検証を続けていたのだが画像を整理したりと前準備にもたついてしまって、すっかり記事にするのが遅くなってしまいました(汗)
今回は前回の予告通り(?)夜景による長時間露光時の画質のチェックを比較していきます。
長時間露光(長時間露出ともいう)…1秒以上シャッターが開いている状態。いわゆるスローシャッターと呼ばれるヤツですね。
普通デジカメのシャッターを切るとカシャッ!って感じの音がしますが、カッ!・・・・・・・シャッ!っていう感じのシャッター音になるのがスローシャッターです。
夜に撮影すると、カシャッ!では真っ暗で何も写らないので、その分時間をかけてシャッターを開いてわずかながらの光を多く取り込んでハッキリ写るようにするわけです。
ところがこの長時間露光での撮影というのは、日中の速いシャッター速度で撮影した写真に比べるとノイズが出やすく画質が著しく低下してしまう特徴があるのです。
夜景撮影が好きな私にはこの長時間露光の画質というのは非常に気になるところで、E-PL3を使っていて不満に思ってE-M1を買い換えた理由の一つであります。
とまぁ、それではE-M1はミラーレス一眼の中でも長時間露光に強いのか?というとどうも所有ユーザーの間では長時間露光時の熱ノイズが出やすいと不評のカメラでもあるのです。
同じOM-Dシリーズで下位に当たる機種のE-M5やE-M10と比較してデジカメの撮像センサーから発生する熱ノイズが出やすいらしいです。
どうやら同じ4/3型Live MOSセンサー 1685万画素の撮像センサーを使っていますが、採用している撮像センサーの供給元が違うようでE-M1はパナソニック製、E-M5、E-M10はソニー製を採用しているところの違いがハッキリと現れているようです。
私もこの点についてはE-M1を購入するに当たって相当悩んだところです。
が、最終的に購入に踏み切った理由が、あくまでノイズが目立つのが長時間露光時のノイズリダクション機能をオフにした時に見られる現象ということで、ノイズリダクションをオフにしての撮影シーンがほぼ皆無の私には影響はないと思ったのが理由です。
ノイズリダクションとはデジカメ内でノイズを軽減する処理の事なのですが、『星空』撮影などノイズリダクションを有効にしてしまうとノイズと共に『星』が消えてしまう場合があるので、星空撮影はオフにして
撮影する場合もあるらしいのですが、少なくとも私は工場夜景や町の夜景が中心なのでまったくそこは気にしなくてよいなと思いました。
ということで話が少し長くなりましたが、E-M1とE-PL3の両機種を持って、近所の臨海工業地域で撮影してきました。
撮影場所は、千鳥町にある日本触媒前。もう工場夜景ではおなじみのスポットですね。
あまり遅い時間になってしまうと工場のライトが消えてしまうことがあるので日が暮れる辺りを狙っていきました。
工場からの煙が出てると尚いいなと思ったのですがあいにく煙のほうは出ておらずちょっと残念。
まずはE-M1で撮影した一枚。
使用レンズ:LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. 14mm(35mm換算 37mm相当)WB:電球色 F13 8秒 ISO:200 -1.3EV(判りやすくするために現像時に+0.7補正) 長時間露光時ノイズリダクション有効
次にE-PL3で撮影したもの。レンズや露出等はE-M1と同じ。
拡大せずとも一目瞭然で、E-M1のがノイズが綺麗に抑えられてシャープなのがはっきりとわかります。
E-PL3の時はこのノイズの多さが非常に気になりましたが(RAW画像で調整するとさらにノイズが目立つ)E-M1では色もつぶれておらず気になるノイズは見られないですね。(この辺は個人差があると思いますが)
ちなみに下の2枚はノイズリダクションをオフにした時の写真。(上がE-M1、下がE-PL3)
E-M1の方は、ノイズリリダクションを有効にした時に比べるとノイズが出ているのが確認できますが、E-PL3のノイズリダクションが有効の場合に比べても圧倒的にノイズは少なく、シャープに写っています。
E-PL3のほうは有効にしててもノイズが多かったのであまり変わらない感じですが、拡大するとリダクション処理はそれなりに有効になっているのはわかります。
それぞれ下に4枚拡大したものを載せてみます。(上から、E-M1有効、E-M1無効、E-PL3有効、E-PL3無効)
特に画像の左下部分の辺りを比較してもらうとハッキリと違いがわかると思います。
E-PL3とE-M1ではデビュー時期が2年ほど違うわけですが、同じ4/3型Live MOSセンサーでも2年間の進歩とノイズリダクション処理の進歩は大きいですね。
逆にこのノイズレベルですから、E-PL3辺りの世代のマイクロフォーサーズ機での夜景撮影は画質的にかなり厳しくて、ようやく今の世代のモデルで観賞に耐えうるものになったと言う方が正しいのかもしれません。
今回の撮影では20秒とか30秒といったもう少し長い撮影はできなかったので、また別の機会にでも試してみようと思います。
下の二枚はいずれもE-M1で撮った夜景です。(上の写真も含めて当然の事ながら三脚使用)
- 森戸海岸(森戸神社)より撮影。富士山はあいにく見えなかった。
使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 (35mm換算 50mm相当)WB:蛍光灯 F8 1秒 ISO:200 -1EV アートフィルター(ヴィンテージ)使用
- 横浜大さん橋より撮影。空気が澄んでくるこれからの季節が楽しみな撮影スポットだがじっとしていると10月中旬でもかなり寒い…
使用レンズ:LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. 21mm(35mm換算 42mm相当)WB:2500K F8 4秒 ISO:200 -0.7EV
次回の比較レポは夜間や室内での高感度撮影を確認していこうと思います。