ミラーレス一眼カメラで上手に撮影したいなら、電子ビューファインダー(EVF)の装着がオススメ
つい3週間ほど前、桜がちょうど咲くか咲かないかの頃に合わせて、私の愛機であるミラーレス一眼レフカメラ Olympus Pen Lite E-PL3に装着できる電子ビューファインダーを購入しました。
購入してから、殆どのシーンで液晶ファインダーを使わず、電子ビューファインダー越しに被写体を見て撮影していますが、これがまた実に楽しい!
古い考えなのかもしれないですが、やはりカメラはファインダーを覗き込んで写すモノだなと改めて認識しました。
ちょっとここで、購入に至った経緯と購入した製品を紹介します。
購入の動機
私の愛機も含め、ミラーレス一眼レフは下の写真のように撮影する時はカメラ背面の液晶ファインダー越しに撮影する製品が殆どです。
この写真を見ての通り、いわゆる普通の一眼レフカメラや一部のコンパクトデジカメに付いている、カメラの上部の小さな窓がありません。
それもそのはずで、昔のカメラとかに普通についていた撮影する時に覗き込む小さな窓は、「光学ファインダー」と言ってレンズを通してくる被写体がカメラ内部のミラーで反射をさせて直接ファインダーにその被写体が見えるようになっているのです。
そしてミラーレス一眼レフはその名の通り、そのミラーが付いていないので(ミラーレス)光学ファインダーは当然のことながら付いていません。
それによりレンズ交換式の一眼レフながらコンパクトカメラ並みの小ささと軽さを実現しているのですが、じゃあ光学ファインダーなしでどのように被写体を映し出しているかというと、
カメラ内部で被写体ををデジタル変換して液晶画面に表示しているのです。
ミラーレス一眼はこのように、液晶画面越しに被写体を確認して撮影するのが基本となっていますが、実際に使っているといくつか不満が出てきました。
その不満とは。
- 細かいフレーミングがしずらい
- 液晶に光が反射するような環境下では被写体が確認しずらい
の2点が大きなところです。
細かいフレーミングに関しては、これはもう私がヘタクソというのが一番大きいところもありますが、どうしても撮る被写体が若干斜めっていたり、左右前後のバランスが微妙にずれていたりと残念なモノになってしまうことが多いのです。
方眼状のガイドを液晶画面に表示したりなるべく丁寧に撮影するようにして、ある程度は意図しているものが撮れるようになったのですが、どうも使っていてスッキリとしない状態が続いていたのですね。
さらに、日中などで光の反射が強いシーンなどでは液晶がみずらくてこれもフレーミングに大きな影響を与えるわけです。
そんな時に、ヨドバシだったかNikonのショールームだったか忘れたのですが、一眼レフカメラを持って光学ファインダー越しの覗き込んだ時に、「これだ!」と思ったのです。
このファインダーがあれば反射も気にすることはないし、直接カメラに近いところで覗き込んで分、下手なフレーミングももう少し正確にできるようになるだろうと。
そして何より光学ファインダーを覗き込んで思ったのが、
カメラとの一体感
恐らく液晶画面越しに撮影していて今一つしっくりくる感覚がないのは、コレの事なんだとこの時に気がつきました。
とはいっても、ミラーレスですから、こればかりはどうにもならない…と思いきや、なんかカメラの上に取り付けるファインダー見たいのがオプションであったような?
というのを思い出して、Olympusのサイトとかで調べてみたら、「電子ビューファインダー」という名前でラインナップされていました。
いくつかの種類がラインナップされていましたが、口コミとかを見てみるとどうやら最新のビューファインダーの評判がそれなりによかったのでそれを購入する前提でカメラ屋さんで実物を確認しに行きました。
この「電子ビューファインダー」という名前の通り、光学式のファインダーではありません。デジタル変換された被写体がビューファインダーに表示される仕組みは液晶ファインダーと変わりません。
というので、実際の覗いた時の被写体がどう写っているのか、どの程度のクオリティなのか見当が付かないので、できれば実物を確認したかったのです。
ちょうど、見に行ったカメラ屋さんに、実物を装着したカメラがおいてあったので覗きこんでみると、中で表示されている被写体はデジタル然とした感じはするものの、表示のタイムラグや不自然な色合いとかもそれほど感じなかったので、購入に踏み切りました。
今回買ったのが、コレ。Olympus「電子ビューファインダー VF-4」
実売価格で2万5千円前後です。
本体に装着しするとこんな感じ。Pen Liteクラスだと大きすぎてバランスがイマイチ。
きっと、上位機種の「Pen」や「OM-D」シリーズに装着するの前提で設計されているのでしょう。
ちなみに、このP-EL3も本体のファームウェア(制御プログラム)をアップデートすることで使えるとのことでしたが、何故かアップデート不要でした。
以前にアップデートしてたのかな??
右サイドは、視度調整ダイヤル。いわゆるメガネの「度」と同じです。
眼鏡越しにも見れないことはないですが、距離が離れて見えずらくなってしまうので、外してこの度を調整して見てくださいということです。
私も真ん中の初期値ではぼやけてしまうので、マイナス方向に4つほど下げました。
かなりのピンボケで申し訳ない。このファインダーから被写体を覗き込むというわけです。
下のボタンで押せば、液晶ファインダーと表示を切り替えることができます。
ちなみに、このVF-4と液晶ファインダーの同時表示はできません。
上から見た感じ。やはりでかい。
ファインダーの表示画素数は236万ドット。
視野率は100%
ファインダー倍率は35mm換算で0.74倍と、一眼レフカメラ並みのファインダー倍率を持っています。
さらに
可動式チルト機構を持っていて、このように90度まで下に向けることができます。
ちょっと下から撮影する時にしゃがむことなく覗き込む感じで撮影ができます。
使った感想
- ファインダーの性能
先程も言ったように、デジタル変換をして表示している画像なので、光学ファインダーのように直接目で見ている被写体がそのままのイメージで見えるわけではありません。
やはり多少なりともデジタル画像っぽいなという感じは残ります。
ただ、色味や再現性などは不自然なところはないので、実際に目で見える色と随分違う、といった違和感はまったくありません。
デジタル変換をしているのでタイムラグが気になるところでしたが、まったく問題なく使えます。
超高速で移動する被写体に対してまだ試していないのでなんともいえないですが、少なくとも人の動きや動物園の動物の動き、風が強いときの草木の撮影などのレベルではタイムラグで気になったことはないです。
少し気になるところとしては、暗い部屋の中を覗いた時に、暗い部分が液晶ファインダーに比べると若干見ずらいかなと思いました。
夜間での暗いシーンでの撮影がちょっと気になるところですが、実際に夜間で使ってみても気にはならなかったので、あくまで液晶ファインダーと比較してというレベルです。
- 持ち運び
ココ最近着けっぱなしでいますが、やはりかなり出っ張るのでカメラバックのような仕切りがあれば別ですが、普通のカバンに入れて持ち運ぶ場合は外して持っていたほうがいいと思います。
カバンの中で暴れたりするとキズが入ったり、本体にもダメージを与えそうで怖いです。
いちいち取ったり付けたりがメンドウですけどね。
- 操作感
VR-4で表示されるガイダンスは、液晶ファインダーで表示されるモノと全く同じですので、覗きながらファンクションボタン等で撮影モード・絞り・シャッター速度、露出補正、ホワイトバランスといった設定の変更ができるようになっています。
もちろん液晶ファインダー上での使用を前提にボタンも配置されているので、さすがに使いやすさは液晶ファインダーで操作している時に比べるとやりずらいですが、ここは割り切りが必要ですね。
・その他
冒頭にも挙げましたが、やはりカメラとの一体感からくる撮影の楽しさとフレーミング精度の向上は、液晶ファインダーでは得られない感触です。
ファインダー越しで見ると、あ、これはこう撮りたいなとか、これは覗いてみたけどあまり気を引くものがないな、というのが液晶画面越しで見るよりハッキリします。
とは言っても、撮影シーンによっては手を伸ばしたり、逆に大きくしゃがみ込むか寝そべるような位置で撮りたいシーンなどは、可動式液晶画面が使えることのメリットも大きいので、撮影シーンに合わせて使い分ければ楽しさが広がっていくと思います。